HISTORY OF TOTE BAG

トートバッグとは?

ベーシックなトートバッグとは、1枚の生地を折り返し、サイド部分を縫製でつなげることによって袋状にし、その両サイド上端ににループ状の持ち手を縫い付けることによって、手提げできる状態としたものとなります。
このベーシックなトートに、外ポケットや内ポケットがついたり、開口部にファスナーやボタンがついたり、持ち手を長くして肩掛けや襷がけにできるようにしたり、表面に刺繍やプリントなどの装飾を施したり、サイズも大きくしたり小さくしたりして、さまざまなデザインのものが作り出されます。さらに、素材も革製のものから、帆布(キャンバス)のもの、または、ナイロン生地のもの、紙製のものや、建築資材を利用したトートバッグもあります。 その価格帯にしても、雑誌の付録として無料で提供されるものから、ラグジュアリーブランドの数百万円するものまで様々です。

このように、同じトートバッグといっても、そのデザイン、用途、ユーザーもとても多岐にわたる製品だということがわかります。


トートバッグの歴史

『トート(tote)』の語源は明確になっていないようですが、もともと西アフリカのコンゴ語での『持ち上げる』という意味での『tota』、または、スワヒリ語で『運ぶ』という意味での『tuta』という言葉が起源となっており、この言葉が、アメリカでのアフリカ人労働力の流入とともにアメリカにもたらされ、『運ぶ』という意味での動詞として17世紀にアメリカで使われ始めた、と言われています。

今でも、『tote』という言葉は、英語で“運ぶ”という意味の動詞としても使用されています。

この『tote』が、トートバッグという意味での名詞としての活用され始めたのは、1900年代に入ってからのようですが、当初は労働者が重量物を運ぶ、業務用の袋を呼ぶ言葉として使われていたようです。
そのなかで、アメリカのアウトドアブランド、L.L.Beanが1944年『Ice Carrier』を発売しました。『Ice Carrier』とは、厚手の号物ダック(キャンバス)を使用した、ベーシックなトートバッグで、もともとは、氷や木材を運ぶための厚手で丈夫な袋として作られたものでした。このL.L.Beanのトートバッグが、1950年代にかけデザインのバリエーションを増やし、その用途の広さや強さ、また、デザインの良さが当時の市場に評価され、『トートバッグ』として、広く一般の家庭に広まっていったようです。
このようにして、今でもキャンバス製トートバッグ有名なL.L.Bean製トートバッグが生まれ、『トートバッグ』という言葉が名詞として一般的に使われ始め、かつ、そのデザインが、特に帆布(キャンバス)製トートバッグのアイコンとして確立されました。

1960年代に入ってからは、アメリカのデザイナー、ボニー・カシン(Bonnie Cashin)が、Coachのデザイナーとしてカラーバリエーション豊かなレザートートバッグをリリースし、それまでは実用的なバッグであったトートバッグが、ラグジュアリーブランドのファッションアイテムとなりました。

1980年代には、トートバッグは会社の広告の手段として使われ始めます。象徴的なのが、 ニューヨークのブロードウェイにある歴史ある書店、Strand Bookstoreが、無地のキャンバスバッグに書店のロゴと住所等をプリントして販売を開始したことです。このトートバッグが流行し、そのバッグを多くの人が持ち歩くことで、ニューヨークの街中の至る所でStrand Bookstoreのロゴが人目に触れることとなり、その広告効果が注目されることになりました。
近年においても、Dean & Delucaや、紀伊國屋書店などが、同じような目的、手法でトートバッグを販売しています。

1990年代は、エコロジーブームを背景に、レジ袋の消費の削減を目的として、大手小売業が、いわゆるエコバッグを販売し始めました。もともとは小売業者が始めたこの活動ですが、このころから、小さく収納でき、買い物などの必要な時に広げてバッグとして活用できる、いわゆる典型的な『エコバッグ』が多く流通することとなります。

2000年に入ってからは、雑誌の付録として、トートバッグやポーチが多く使われ始めました。付録というより、そのトートバッグ目的での雑誌購入も見られるようです。オマケとしてのトートバッグの活用。また、そのオマケ目的での購買意欲向上。トートバッグの新しい使われ方と言えるかと思います。

このように、歴史、社会の流れに影響を受けながら、いろいろなトートバッグが生み出されています。そのなかで、ごく初期に現れたL.L.Beanのトートバッグが、デザインを大きく変えずに販売され、未だに多くのファンから支持されているところが、また面白いところです。

今後も、時代の流れや環境の変化により、新しいデザイン、または新しい用途でのトートバッグが生み出されてくるのではないでしょうか。今後どのようなトートバッグが誕生するのか?楽しみなところです。